「若い頃と同じように食事を減らしているのに、なかなか痩せない」
「体重は減ったけれど、なんだか体力まで落ちた」
中年以降になると、このような悩みを感じる人が増えてきます。
40代、50代、60代、70代と年齢を重ねるにつれて、ダイエットの目的は少しずつ変えていく必要があります。
若い頃なら「体重を落としてスリムになる」ことが目標でもいいかもしれません。
しかし中年以降は、
脂肪を減らしながら、筋肉をできるだけ維持する。
さらにできれば、
筋肉を増やして、年齢を重ねても動ける身体をつくる。
これが大切だと私は考えています。
中年以降は「何kgになるか」だけで考えない
ダイエットというと、
「あと5kg痩せたい」
「60kgまで落としたい」
というように、体重を目標にすることが多いでしょう。
もちろん体重は重要な指標です。
BMIを一つの目安として考えることもできます。
しかし、中年以降のダイエットでは体重だけを追いかけるのはおすすめできません。
例えば、70kgの人が5kg減って65kgになったとしても、その5kgの中に筋肉が多く含まれていたらどうでしょうか。
体重は減っても、
- 筋力が落ちる
- 疲れやすくなる
- 階段がつらくなる
- 歩く速度が落ちる
- 将来的なフレイルにつながる
といった問題が起こる可能性があります。
同じ「5kg減」でも、
脂肪を5kg減らした人
と
脂肪3kg+筋肉2kgを減らした人
では、意味が大きく違います。
だからこそ、中年以降のダイエットでは、
「何kg痩せたか」だけではなく、「何を減らしたのか」
を見ることが大切です。
目指したいのは「細い身体」ではなく「動ける身体」
私が中年以降のダイエットでおすすめしたいのは、
「細くなること」ではなく「余分な脂肪を減らし、筋肉のある身体になること」
です。
特に60代以降になると、体重を減らしすぎることにも注意が必要です。
年齢を重ねるほど、
「太りすぎない」
だけではなく、
「痩せすぎない」
ことも重要になってきます。
そのため、
体重を減らすことを目的にするのではなく、身体の中身を改善することを目的にする。
これが中年以降のダイエットでは重要だと思います。
筋肉質を目指すなら体脂肪率も見る
筋肉質な身体を目指す場合、体重だけでは身体の状態を判断できません。
例えば男性なら、中年以降ではおおむね
体脂肪率15~20%程度
を一つの目安として考えることができます。
女性なら、
22~30%程度
を一つの目安にできます。
ただし、これは全員がこの数字を目指すべきという意味ではありません。
年齢、筋肉量、運動習慣、健康状態などによって適切な範囲は変わります。
また、家庭用の体脂肪計は測定条件によって数値が変動するため、数字を絶対視する必要もありません。
大切なのは、
体脂肪を減らしながら筋肉を維持すること。
そして、可能なら筋肉を少しずつ増やしていくことです。
BMI22にすればいいわけではない
「標準体重はBMI22だから、BMI22まで痩せよう」
と考える人もいるかもしれません。
BMI22は一つの基準になります。
しかし、筋トレをしている人や筋肉量の多い人では、BMIが24~25程度でも健康的な身体である場合があります。
例えば身長170cmの場合、
- BMI22 → 約63.6kg
- BMI23 → 約66.5kg
- BMI24 → 約69.4kg
- BMI25 → 約72.3kg
となります。
筋肉の少ない63kgと、筋肉の多い69kgでは、見た目も身体能力も大きく違います。
ですから、
「BMI22にならなければいけない」
と考える必要はありません。
体重だけではなく、
- 腹囲
- 体脂肪
- 筋肉量
- 筋力
- 歩行能力
- 体力
などを総合的に見ていくことが大切です。
中年以降のダイエットは「減量」から「身体づくり」へ
ここが一番大切なところです。
若い頃のダイエットでは、
食事を減らす → 体重を落とす
という方法でも結果が出ることがあります。
しかし、中年以降はそれだけでは不十分です。
おすすめしたいのは、
食事を整える
↓
余分な脂肪を減らす
↓
筋トレをする
↓
筋肉を維持・増加させる
↓
体力・筋力を高める
という考え方です。
つまり、
「ダイエット」から「身体づくり」へ。
これが中年以降には必要なのではないでしょうか。
最初から「理想体重」を目指さなくてもいい
では、実際にどのくらい痩せればいいのでしょうか。
最初から「10kg痩せる」と大きな目標を設定する必要はありません。
まずは現在の体重から、
3%程度減らす
ことを一つの目標にしてもいいでしょう。
例えば、
80kg → 77.6kg
70kg → 67.9kg
60kg → 58.2kg
です。
そこから身体の変化を見ながら、次の目標を考えます。
5%程度の減量を目指す場合もあります。
ただし、高齢者や筋肉量が少ない人、すでに痩せている人などでは、単純に減量をすすめるべきではありません。
60代以降は「痩せること」より「筋肉を守ること」
特に60代、70代になってくると、この考え方は重要になります。
体重が減っても、
筋肉まで一緒に減ってしまえば、将来的に身体を支える力が低下する可能性があります。
だからこそ、
「食べない」
だけのダイエットではなく、
適切に食べる+筋トレ+日常的に身体を動かす
という方法をおすすめします。
ダイエットをしているのに、筋トレをしない。
これは中年以降では非常にもったいないことです。
私が考える「中年以降の理想的なダイエット」
中年以降のダイエットで目指したいのは、
体重を減らすことではありません。
余分な脂肪を減らし、
筋肉をできるだけ維持し、
できれば筋肉を増やし、
歩く、立つ、階段を上る、物を持つといった日常動作をいつまでもできる身体をつくることです。
つまり、
「痩せるためのダイエット」から「一生動ける身体をつくるダイエット」へ。
私はこれが中年以降のダイエットの理想ではないかと考えています。
何kgになるかだけを目標にするのではなく、
「10年後、20年後も自分の足で歩ける身体をつくるために、今から身体を整える」
という視点でダイエットを考えてみてはいかがでしょうか。
一時的に体重を落とすことよりも、
人生の後半を元気に動ける身体をつくること。
それこそが、中年以降のダイエットで一番大切なことだと思います。